
英語論文の投稿に関するお問合せとして、「Similarity Indexは何%までなら大丈夫ですか?」という質問をいただくことがあります。
近年、多くの出版社や学術誌では、投稿原稿に対してiThenticateなどの類似性(Similarity)チェックツールを利用して投稿された原稿に剽窃(盗用)がないか確認しています。そのため、投稿前に類似性チェックを行う研究者も増えています。
しかし、Similarity Indexの合格ラインは、出版社やジャーナルがそれぞれ基準を決めており、また、投稿するまで不明な事が多いです。
ここでは、英語論文投稿におけるiThenticateの役割やSimilarity Indexの考え方、そして投稿前に確認しておきたいポイントについて解説します。
iThenticateとは?
iThenticateは、Turnitin社が提供する論文や学術原稿を既存文献と照合し、文章の一致率を確認するための類似性チェックツールです。世界各国の主要な出版社1,500社以上の論文出版サイクルで使用されています。
レポートには「Similarity Index」と呼ばれる数値が表示され、原稿中のどの程度の文章が既存文献と一致しているかを確認できます。

Similarity Indexは何%まで許容される?
研究者の皆さんが最も気になるのがこの点です。
実際には、出版社やジャーナルごとに見解が異なります。
例えば、Springer NatureのCrossref Similarity Check/iThenticateに関するガイドでは、全体的な類似性のパーセンテージよりも、単一文献からのパーセンテージを重要視することを明記しています。そして、個々のソースからのSimilarity Indexは、10%以上であるべきではない。としています。
また、Elsevierの Editorial Manager上でも、同様に、全体的な類似性のパーセンテージよりも、単一文献からのパーセンテージを重要視し、引用されている部分の正当性をジャーナル編集者がしっかりと判断する必要があるとしています。
一方で、一部のジャーナルでは、Similarity Indexを20%未満と明記している例もあります。さらに、全体の数値ではなく、単一文献からの類似性が、5%を超えないことを求めるケースも見られます。
つまり、実務上は「全体で20%前後」が一つの注意ラインになることはありますが、最終判断は数値だけではなく、どの部分が一致しているかによって変わります。
数値よりも重要なのは一致箇所の内容
例えば、Methods(研究手法)のセクションでは、実験条件や解析方法の説明が過去論文と似た表現になることがあります。
そのため、Methods部分の一致率が高くても必ずしも問題になるとは限りません。
一方で、
- Results
- Discussion
など、研究の独自性や考察が求められる部分で高い一致率が検出された場合は注意が必要です。
特にDiscussionでは、研究結果の解釈や考察が重要になるため、他論文との類似性が高いと問題視される可能性があります。
類似性削減校閲でよくあるお問合せ
NAIにも、以下のようなご相談が寄せられます。
- Similarity Indexが20%を超えてしまったが問題ないか
- ジャーナルエディターに類似性をされるように言われたけど、どこをどのように修正すればよいかわからない
- 自己剽窃(self-plagiarism)が多く問題ないか不安
- 投稿前に類似性を確認したい
実際にレポートを確認すると、書き換えをした方がいい箇所と問題にならない箇所が混在しているケースは少なくありません。
例えば、引用が適切に行われている部分まで無理に言い換えてしまうと、かえって文章が不自然になることがあります。
そのため、単純に数値を下げることだけを目的にするのではなく、一致箇所の内容を適切に判断することが重要です。
NAIの類似性削減校閲
NAIでは、iThenticateを用いた類似性削減校閲を提供しています。
Similarity Reportを確認しながら、
- 類似性が高い箇所の書き換えの提案
- 英文校閲との組み合わせによる全体的なブラッシュアップ
を行っております。
重要なのは、Similarity Indexの数値だけを下げることではありません。
無理なリライトによって論文の論理性や専門性が損なわれてしまっては本末転倒です。
NAIでは、論文の内容や専門用語を考慮しながら、原意を維持したまま適切な表現への修正を行っています。
また、自己剽窃が多い原稿についても、プロの校閲者(第三者)が異なる表現を提案することで、大幅な書き換えが可能となります。

