NAIの創業秘話

エヌ・エイ・アイ(NAI)の歴史は、日本の医学部を卒業し、その後アメリカのペンシルベニア大学にて研究を続けていた、一人の日本人医師との出会いから始まりました。

「日本人は、どんなに優れた研究・実績を積み上げ論文を投稿しても、なかなか受理されないという現実の壁がある」、彼はアメリカの現場に身を置く一人の日本人研究者として、その厳しい現実を身をもって感じていました。その多くの原因は、英語圏出身ではない日本人故の言語における弱点。科学英語の書き方における無知。欧米の科学誌への投稿プロセス過程における知識不足。彼はこの状況を、海外より忸怩たる思いと共に見つめていました。彼は「アメリカに籍を置いている今、日本人研究者の力になることで、生まれ育ちここまで教育をしてくれた日本にその恩を返したい」との思いを抱いていました。

そんな時に彼とエヌ・エイ・アイ(NAI)は出会いました。NAIは彼の熱い思いに賛同し、彼の協力の下、1995年9月に創業いたしました。

当時はまだ誰もがインターネットや電子メールという言葉を聞いたことすらない時代でした。ポケベル時代は終焉を迎えていましたが、ようやく普及し始めた携帯電話もまだまだアンテナを伸ばして通話するアナログ携帯だけしかなく、デジタル蔓延の今とはまったく異なった環境下でのスタートです。ですからそのころ行われていた論文の校正や添削は、手書きの赤ペンで行うのものが主流でした。電子メールを送るのもホームページを検索するのも、まずは「ジジジ」と電話回線で接続していた頃。マックから送信されたワード文書はウインドウズでは読めず、あっちのボタンをこっちに掛け替え、こっちのボタンをあっちに掛け替えで奔走する日々でした。

そんな頃に、商業ベースの論文サポート会社としては初めて、海外の研究者による科学論文校閲サービスをスタートさせたのが当社です。そのような風潮の中、エヌ・エイ・アイ(NAI)は、誰もが気軽に、Ph.D.をもつ欧米のネイティブ研究者よる校閲を受けられる環境の整備が必要であると確信いたしました。そこで他社に先駆けてネットを通じての論文校閲サービスを開始いたしました。

サービスをサポートしてくださったアメリカ人研究者の先生方の「所属や氏名等の個人情報は出さないでほしい」という希望条件を呑んだうえ始まった論文サポート。そこには「○○大学の○○学が専門の○○教授がサービスを提供しています」と堂々と語れない苦しさがありました。

学会の企業展示に出展する際は、なるべく耳目を集めることができるよう、半分苦し紛れで「在米アメリカ人専門家による英語チェック訂正サービス」というキャッチフレーズでサービス告知したこと、昨日のように思い出されます(現在登録校閲者は世界中に点在しているためこのサービス名は返上しました)。ちなみに、単なる文法修正ではない専門的な英文校正を「英文校閲」と呼び始めたのは、他でもない弊社、エヌ・エイ・アイ(NAI)であると自負しております。

創業2年目からは、科学論文の日英翻訳において世界中で活躍していた、または活躍して来られた日本人研究者の先生方に「論文の日英翻訳者」としてご登録いただけるよう、筆ペン片手に便箋3枚にもわたる「手書き依頼状」を送り続け、論文執筆経験に長けた翻訳者の登録を増やすことに力を注ぎました。

創業5年目には、実務系の文書の翻訳を行うことを目的に翻訳部門を分離独立、NAIway翻訳サービスという屋号で実務産業翻訳全般の業務展開を行う等、様々なサービスの充実をはかってまいりました。

30年近くの歴史を重ねた今でも、創業当時に出会ったあの医師の思いと共に、エヌ・エイ・アイ(NAI)は日本人研究者の方々の挑戦に、日々、真摯に向き合っております。それは「とことんキッチリおつきあい」という弊社のDNAとして、現在も、社員一人一人に脈々と受け継がれております。

さて上記の、誰が校閲しているかを公表することができないということは、品質で勝負をするしかないということです。「本当に良いサービスですから信じて使ってみてください」とお願いして、もしできの悪いサービスや、中途半端なレベルのサービスしかご提供できなかったとしたら、それでもう後がなくなります。

だから品質が命です。常に「お客様にとって何が一倍最適か」を追求し続けるしかなかったのです。

残念ながら、ときにはお客様のご満足を頂戴できないこともございました。お客様のお叱りを頂戴したこともございます。しかしそうした事象ひとつひとつに対して、決して見て見ぬふりをせず、とことんまで原因を追求し、再び同じ過ちが繰り返されないように徹底した指導を行ってまいりました。

論文投稿過程における著者の先生方の一番の悩みの種は、論文を投稿した後、山の様なレビュワーコメントが送られてきた際の対応、つまりリバイスまたは再投稿の際の諸問題に対峙することです。「このジャーナルはどう対応すればいいの?」、「こんな厳しいレビュワーコメントがあるということは再投稿しても無駄ということ?」。立て続けに不安が湧き上がります。

お客様がお困りなら、当社はその悩みを解消するために全力を尽くします。私共のサービスの料金が決して安いものではないことは承知しています。その決して安くないサービス代金を頂戴する以上、私たちは「お客様のご満足を頂戴する」ことに懸命になります。

弊社社員の名刺には「とことんキッチリおつきあい」とスローガンが明記されています。この言葉は、そのサービス提供側にとってずっしり重たい言葉です。ましてや、歯に衣着せずに申し上げさせていただければ、様々な思惑やレビュワーの主観等が入ることが否めない投稿論文の世界では、私たち非当事者ですら逃げ出したくなるような想定外の事象が起こったりします。

だからといって私たちが逃げ出してしまったら当事者である著者の先生方はどうなってしまうでしょうか。途方に暮れてしまい、諦めてしまったり方向転換をしてしまったりと正面回避をせざるを得なくなります。であるならば私たちが頑張るしかない、そう思い続け、「お困りなら可能な限りとことんサポート」という姿勢を固持し続けてまいりました。

この「とことんキッチリおつきあい」の精神があるから、面倒な(実は当社の経営指針書の中での決め事で「面倒くさい」は禁句になっております)リバイスや再投稿という過程においても、逃げることなく真摯に対応することが可能となっています。そしてそれがお客様に選ばれる「便利な会社」、「安心できる会社」、「いざというとき本気で助けてくれる会社」としてのご評価を頂戴している理由であると考えております。

エヌ・エイ・アイ(NAI)は、こうしたスタンスの、どちらかと言えば地味な会社です。この先も、様々な困難と直面していくことは覚悟しております。でも私共エヌ・エイ・アイ(NAI)スタッフは、お客様が喜んでいただいた時の満面の笑顔が大好きです。だからこれからも、ずっとずっと、お客様の満足を追求し続けていく所存でおります。

エヌ・エイ・アイ株式会社
代表取締役 伊藤秀司

NAIの経営理念・経営信条

経営理念

  • 私たちは、異なる文化、異なる言語を結びつけ、笑顔を届ける社会的役割を担います。
  • 私たちは、時代のニーズを敏感につかみ、とことんキッチリこれでもかの価値を追及します。
  • 私たちは、仕事を通じて成長と自己実現をはかり、豊かで幸福な人生を築きあげます。

経営信条

  • 行動すれば次の現実
  • 謙虚に耳を傾け自己研鑽を重ね、過去にとらわれず自らで考え、自信をもって未踏の道を築け
  • 過ちては則ち改むるに憚ること勿れ(論語より)

会社概要

会社名 エヌ・エイ・アイ株式会社
英文社名 NAI, Inc.
代表取締役 伊藤秀司
設立平成7年9月(1995年9月)
資本金22,000,000円
所在地 〒221-0835 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-21-1 ダイヤビル
TEL 045-290-7200
FAX 045-290-7201
事業内容〇論文サポート事業部
 自然科学分野論文のトータルサポート(英文校閲・論文/科学文書翻訳・プレゼンテーションサポート)
NAIway翻訳事業部
 各種ビジネス文書・契約書・SDS・調査票・法律・機械・メニュー・インバウンド等の多言語翻訳サービス
 動画まるごと多言語AI翻訳・パワポまるごと多言語AI翻訳・NAIway-AI翻訳×チェック
バイリンガルサポート事業部
 eラーニング『動画でOJT〔介護〕』制作・販売

NAIのその他サービス紹介

アクセス

  • 所在地
    〒221-0835
    神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-21-1ダイヤビル
  • 電車でお越しの場合
    JR横浜駅下車 きた改札西出口より徒歩4分
  • 営業時間
    平日9:30~18:00 / 土日祝定休

お問合せ・お見積り・ご発注