論文がリジェクトされたら英文校閲は再度必要?フォーマット変更だけで済むケース

論文がリジェクトされると、多くの著者が次の投稿先を検討するかと思います。落胆する時間もそこそこに、次のジャーナルを探し、投稿規定を確認し、原稿を調整する。研究者にとっては、日常的に繰り返されるプロセスです。

その際によくいただくご相談が、

「内容の変更はしていないけど、英文校閲をもう一度受ける必要がありますか?」

というものです。

一度英文校閲を受けた原稿を、また別のジャーナルに投稿する。そのとき、再度校閲費用を支払うべきかどうか。研究予算にも限りがある中で、多くの著者が悩まれるポイントです。

結論から言うと、すべてのケースで再度英文校閲が必要になるわけではありません。

リジェクト理由や投稿先の変更内容によっては、フォーマットを変更するだけで再投稿できる場合もあります。判断のポイントは、「英文そのものに問題があったのか」「別の要因でリジェクトされたのか」を見極めることです。

今回は、英文校閲を再度検討した方がよいケースと、フォーマット変更だけで済むケースについて解説します。次の投稿を効率的に進めるための判断材料として、参考にしていただければと思います。

リジェクト=英文に問題があるとは限らない

まず知っておきたいのは、リジェクトの理由は英語だけではないということです。

リジェクト通知が届くと、著者は「英語が悪かったのだろうか」「表現が拙かったのだろうか」と、つい自分の英文を疑ってしまいがちです。しかし、実際の査読結果を丁寧に読み解くと、英語以外の理由が主因になっているケースは少なくありません。

実際の査読結果では、

ジャーナルの対象分野(Scope)と合わない

新規性が不足していると判断された

掲載優先度の問題

読者層との適合性が低い

サンプルサイズや統計手法への疑問

先行研究との差別化が不十分

など、さまざまな理由があります。

特に査読前に編集部判断でリジェクトされる場合、いわゆる「Editorial Reject」や「Desk Reject」と呼ばれるケースでは、研究内容やジャーナルとの相性が主な理由となることも少なくありません。この段階では、そもそも査読者に原稿が回っていないため、英文の細部について評価される機会もないのです。

そのため、リジェクトされたからといって、必ずしも英文や内容の品質に問題があったとは限らないのです。まずは冷静にリジェクト通知の文面を読み返し、どこに問題があったのかを見極めることが、次の投稿を成功させる第一歩です。

英文校閲を再度検討した方がよいケース

一方で、再投稿前に英文校閲を検討した方がよいケースもあります。以下のような状況に該当する場合は、追加の校閲を受けることで採択の可能性が高まります。

査読コメントで英語表現を指摘された場合

例えば、

English should be improved.

Language editing is recommended.

The manuscript contains grammatical errors.

The manuscript would benefit from a thorough English language review.

Please have the manuscript checked by a native English speaker.

といったコメントがある場合です。

この場合、研究内容そのものではなく、英文の分かりにくさが査読者の理解を妨げている可能性があります。査読者は世界中の研究者ですが、英語ネイティブとは限りません。それでも英語表現への指摘が入るということは、相当に読みづらい状態だった可能性が高いのです。

別ジャーナルへ投稿する前に英文校閲を行うことで、査読者に研究内容がより伝わりやすくなることが期待できます。同じ内容でも、伝わり方によって評価は大きく変わります。せっかくの研究成果が英語表現のせいで正当に評価されないのは、あまりにもったいないことです。

大幅な追記・修正を行った場合

リジェクト後に、

新たな実験結果を追加した

Discussionを大幅に書き直した

FigureやTableを追加した

査読コメントに応じて考察を書き加えた

Introductionを別ジャーナルの読者層に合わせて書き換えた

Abstractを大幅に修正した

といった場合も、新たに作成した英文部分については、投稿前に英文校閲や添削を行い内容の整合性や英文の正確性は確認する必要があります。

追加した部分だけを校閲することで、既に校閲済みの部分と合わせて、原稿全体の英語品質を均一に保つことができます。追記部分だけ表現の質が落ちていると、査読者に違和感を与えかねません。特にDiscussionの書き換えは論文全体の印象を左右するため、慎重に確認したい部分です。

フォーマット変更だけで済むケース

反対に、英文校閲を再度行わなくてもよいケースもあります。研究予算を効率的に使うためにも、以下のケースに該当する場合は、フォーマット調整のみで再投稿を進める方が賢明です。

英文校閲済みで英語への指摘がない場合

すでに英文校閲を受けており、査読コメントにも英語表現への指摘がない場合です。

このようなケースでは、英語品質よりもジャーナルとの適合性がリジェクト理由となっている可能性が高いです。編集部から「Scopeに合わない」「掲載優先度の関係で」といった説明があった場合は、原稿そのものの品質が理由ではなく、ジャーナル側の事情や方針が影響していると考えられます。

その場合は、英文校閲をやり直し、論文内容を細かく見直す必要はなく、投稿先ジャーナルの規定に合わせたフォーマット調整のみを中心に行う方が効率的です。同じ内容の原稿に何度も校閲費用をかけるより、その予算を次の投稿の準備や、必要な追加実験に回す方が有意義でしょう。

別ジャーナルへ投稿する際には、

タイトルページ

Abstractの文字数

参考文献スタイル

Figure形式

Cover Letter

見出しの階層構造

キーワードの個数

倫理申告文の位置

利益相反開示の書式

など様々な部分を変更する必要があります。

ジャーナルごとに投稿規定は驚くほど細かく、参考文献のスタイル一つとっても、著者名の書き方、雑誌名の略記、ページ番号の表記まで、指定が異なります。Abstractも250語以内のジャーナルもあれば、300語以内のジャーナルもあり、構造化アブストラクトを求めるところもあります。これらを一つひとつ修正していく作業は、研究者にとって大きな負担です。

NAIの投稿先変更フォーマット調整プラン

NAIでは、別ジャーナルへの再投稿をサポートする「投稿先変更フォーマット調整プラン(校閲なし)」をご提供しています。一度弊社で英文校閲をした原稿が対象となります。

再投稿のたびに研究者ご自身が細かなフォーマット規定と格闘する時間を、できる限り減らしていただきたい。そんな思いから生まれたプランです。

このプランでは、内容の精査は含まず、

必要なセクションの確認

ワード数制限の有無の確認と制限がある場合はそれを満たしているかの確認

タイトルページのフォーマット修正

フォントやフォントサイズ、行間、余白幅等の修正

ページや行番号の修正

Tableのフォーマット調整

参考文献スタイルの調整

見出し階層の調整

などジャーナルに要求されているフォーマットに関する細かなルールに原稿が準拠しているかの確認、修正を行い、できる限り、お客様の原稿が次の投稿先にスムーズに投稿できるようにお手伝いさせていただきます。

こうした細かな作業を専門スタッフがまとめて対応することで、研究者の方は本来注力すべき研究活動や、Cover Letterの内容検討、次の投稿戦略の設計に時間を使うことができます。

英文校閲を含まないため、必要な作業だけをプロの校閲者に依頼することが可能となり、費用も抑えられます。「英文はもう問題ないけれど、フォーマットの調整だけ手伝ってほしい」という研究者の声に応える形で設計されたプランです。

論文の投稿は、一度で採択されることの方が稀です。リジェクトを次の一歩につなげるためには、状況に応じた適切な判断が欠かせません。私たちは、研究者の皆様が研究そのものに集中できるよう、投稿プロセスの負担を少しでも軽くするお手伝いを続けてまいります。


NAIの論文校閲はこちら
https://www.nai.co.jp/
フォーマット調整ー極(きわみ)はこちら
https://www.nai.co.jp/formatting-kiwami/
投稿先変更フォーマット調整プランはこちら
https://www.nai.co.jp/revise/

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