
査読コメントに、
The English language should be improved.
The manuscript would benefit from language editing.
と書かれていたものの、具体的にどの文章を直せばよいのかは示されていない――。そんな経験をしたことはないでしょうか。
「文法ミスが多かったのだろうか」と考えがちですが、こうしたコメントが必ずしも特定の文法ミスだけを指しているとは限りません。
ジャーナルから英文の改善を求められた場合は、文法だけでなく、読みやすさ、用語の一貫性、文章のつながりなども含めて原稿を見直すことが大切です。
まず、査読コメント全体を確認する
“English needs improvement” と書かれていたら、すぐに原稿の英文を一文ずつ確認したくなるかもしれません。
しかし、最初に確認したいのは、ほかの査読コメントです。
たとえば、
- The meaning of this sentence is unclear.
- Please clarify the rationale for …
- This paragraph is difficult to follow.
- The terminology should be used consistently.
といった指摘が別の箇所にあれば、査読者がどこで読みづらさを感じたのかを知る手掛かりになります。
「英文を改善してください」というコメントだけを見るのではなく、原稿のどの部分で内容が伝わりにくくなっていたのかを査読コメント全体から探してみましょう。
文法を直すだけで解決するとは限らない
たとえば、次のような英文を考えてみます。
Because X was increased in group A, which was different from group B, this result may suggest the possibility that X has an important role in Y.
大きな文法ミスがなかったとしても、一文の中に複数の情報が入り、何が重要なのか分かりにくくなっています。
そこで、
X was higher in group A than in group B. This finding suggests that X may play a role in Y.
のように情報を整理すると、読み手は結果とその解釈を追いやすくなります。
英文改善というと、単語や文法の修正をイメージしがちですが、一文を短くする、情報の順序を変える、文と文の関係を明確にすることも重要な改善です。
用語が途中で変わっていないか
自然科学系の論文では、専門用語の一貫性も確認したいポイントです。
同じ対象について、Introductionでは “participants”、Methodsでは “subjects”、Resultsでは “patients” と表現していると、それぞれ文法的には正しくても、読み手は「同じ対象を指しているのか」と迷う可能性があります。
略語についても同様です。
最初に定義した略語がその後使われていなかったり、同じ用語に複数の略語を使用していたりすると、原稿全体の読みやすさを損ないます。
英文を見直す際には、一文単位の正しさだけでなく、論文全体で同じ概念が同じ言葉で表現されているかも確認しましょう。
「英文の問題」に見えて、実は説明の問題ということも
査読者が文章を理解できなかった場合、その原因が必ずしも英語そのものにあるとは限りません。
たとえば、
X was used because it was considered appropriate.
という英文は文法的には成立しています。しかし、「なぜXが適切なのか」が説明されていないため、研究方法を選択した理由は読者に伝わりません。
この場合、英語を自然に言い換えるだけでは問題は解決しません。必要なのは、不足している情報そのものを追加することです。
査読者から “unclear” や “needs clarification” と繰り返し指摘されている場合には、「英文が悪い」とだけ考えず、論理や説明が不足していないかも確認してみる必要があります。
修正後は「一文」ではなく「段落」で読み直す
英文を修正するときは、一文ずつチェックして終わりにしないことも大切です。
各文が文法的に正しくても、
「前の文と次の文がどうつながっているのか」
「この段落で最も伝えたいことは何か」
「同じ内容を何度も繰り返していないか」
という点に問題があれば、読み手には分かりにくい文章になります。
特にIntroductionやDiscussionでは、個々の英文だけでなく、段落の最初から最後まで一つの論理として読めるかを確認するとよいでしょう。
Response Letterではどう回答する?
英文を見直したら、Response Letterでも対応したことを簡潔に伝えます。
たとえば、
Thank you for your comment. We have carefully revised the manuscript to improve the clarity and readability of the English.
などと回答できます。
ただし、査読者から特定の文章やセクションについて指摘されている場合には、「英文を改善しました」だけで終わらせず、該当するコメントごとに具体的な修正内容を回答する必要があります。
自分では「読みにくさ」に気づきにくいことも
自分で何度も読み返してきた論文では、著者自身には意味が分かっているため、読み手がどこでつまずくのかを見つけにくいことがあります。
また、生成AIなどのツールを使って英文を修正する場合も、個々の文章を自然な英語に整えることはできますが、修正後には専門用語や研究上の意味が変わっていないかの最終確認は必要となります。
NAIでは、英文校閲に加えて、査読後に修正した原稿やResponse Letterの英文についてもご相談いただけます。ジャーナルから英文改善を求められたものの、「具体的にどこを直せばよいのか分からない」という場合には、第三者の視点から原稿全体を確認することも一つの方法です。
“English needs improvement” と指摘されたときに必要なのは、単に文法ミスを探すこととは限りません。
文法、読みやすさ、用語の一貫性、説明の明確さ、段落の流れ。 こうした複数の視点から原稿を見直すことで、「正しい英語」だけではなく、研究内容が読み手に伝わる英文へと改善していくことができます。
他社で英文校閲した論文のRevisionにも対応できます
ジャーナルから英文の改善を求められた場合、「最初に英文校閲を依頼した会社に、再度依頼しなければならないのだろうか」と考える方もいるかもしれません。
NAIでは、他社で英文校閲を受けた原稿についても、査読後のRevision原稿とResponse Letterの英文校閲に対応しています。
査読後のRevisionでは、査読者の指摘に対応して新しい文章を追加したり、Discussionを書き直したりすることがあります。また、Response Letterでは、修正内容や著者の意図を査読者に正確かつ適切なトーンで伝える必要があります。
そのため、最初の投稿時の英文が校閲済みであっても、Revisionによって追加・変更した部分や、査読者への回答について改めて英文を確認する意味があります。 「投稿時の英文校閲は他社に依頼したが、RevisionとResponse Letterは別の視点で確認してほしい」といった場合にも、NAIにご相談ください。


